かわいい子には旅させてね
長男が小学5年生のとき、次男と2人で、電車に乗って
日光の東照宮を観に行きたい言い出しました。
それまで、外出時は、家族で、それも車での移動がほとんどでした。
長男から許可してほしいと私が言われた時、正直言って、2人で電車に乗って
外出するのは慣れていないので、やめさせようと思いました。
しかし、長男はどうしても行きたいと言い続けました。
わたしが折れて、許可をしましたが、妻の花子は絶対にダメの一言。
何日も長男と妻は平行線のままです。
長男も諦める様子がありません。根負けした妻が妥協案を出しました。
妻は、離れた所から子ども達を見守りながら、
日光まで行くなら、許可すると長男に伝えました。
長男は、最初嫌がっていましたが、しぶしぶ納得して、やっと2人旅行が
決定しました。
長男が電車の時刻表を見て、出発時間や乗り換え等を決めたみたいです。
長男は鉄ちゃんではありません。かなり頑張りました。
妻は、少し離れた所から見守り、会話もしないし、すべての行動は、
子ども自身で決定しました。
子どもは、電車の乗り換えやホームなど、間違えながらなんとか
無事、日光駅についたそうです。
大変だったでしょう。
東照宮の近くで、おじいさんが1人で小鳥のかたちをした笛を売っていたそうです。
そのおじいさんの姿を見た次男は、おじいさんが笛が売れていなくて、哀しそうに見えたそうです。
かわいそうと思って、少ししかないお小遣いで、300円の笛を
1つ買ってあげたそうです。
次男は、少し、いい事をして、心が満たされたと言っていました。
何と優しい次男。すばらしい。
自宅に帰ってきて、その話を聞かせてくれました。
私もいい事をしたね!って誉めてあげました。
長男も、初めて、子ども達だけで、旅行できたので
自信が付いたようです。
しかし、悲劇が起こりました。
次男のやさしさを裏切るように、小鳥型の笛はすぐに壊れてしまいました。
たいして使ってもいないのに、1、2日で音が出なくなりました。
小学校低学年だった次男は、「ダマされた」と思ったそうです。
初めて社会のきびしさを知らされたと後年、言っておりました(笑)